令和3年度 第1回里山ボランティア育成講習会
2021年5月15日(土) 9:00~12:00 第1回 代かき・クロ塗り
令和3年度第1回目の里山ボランティア育成講習会を実施しました
里山ボランティア育成講習会では里山的環境の整備を行います
里山とは、元々の森林を切り開いて薪などに用いられる樹木を植えたり、田畑を起こして農作物を栽培したり、人の手が加えられ整備された環境のことで、様々な生きものや植物が生息しています
しかし、今では住宅地の拡大など樹木が伐採されような開発が進み、みどりが減少しています。それだけでなく薪を使わず都市ガスを利用する生活になるなど生活の変化によって里山の手入れ自体が行われなくなり荒れたみどりが増えています。その結果里山で共存していた生きものや植物が生息しやすい環境は減ってきてしまいました
そこで横須賀市では豊かな環境を守るために「里山”的”環境、かつての里山のように様々な動植物が生息する自然環境を再生・保全する」ことを目指し里山的環境保全・活用事業を行っています
里山とは本来人の生活の営みも含みますが、横須賀市では人の生活を除いた「里山みたい」=「里山的」な環境の再生・保全を行っています。
今回の講習会も里山的環境保全・活用事業の一環で行っています。
目的は里山的環境に興味を持って頂き、一緒に里山的環境の再生・維持に協力していただく方を増やすことです
そのためにも講習生の皆さんには座学だけでなく、実際に体を動かし、自分で里山環境を作る・整備していく楽しさを余すことなく感じていただきます
今年度の講習会は講習会の修了生である横須賀里山田んぼ倶楽部通称さとたんの皆さんに教えていただきます
サポートはNPO法人三浦半島生物多様性保全の方です
講師紹介の後は準備体操を行ってから作業場所へ道具を持って移動します
この日行うのは「代かき(しろかき)」と「クロ塗り」です。
どちらも稲作の基本の作業です
使う道具はクロ塗り用のクワ
代かき用のトンボです。
作業はまず、さとたんの皆さんから説明を聞きながら手本を見せてもらい、講習生の皆さんも実際に体験します
クロ塗りは田んぼの畔(あぜ)の部分に泥を塗り付ける作業です
クロ塗りは漢字で書くと畔塗りと書きます。畔という字は「クロ」とも「アゼ」とも読むので地域によってはクロ塗りではなくアゼ塗りと呼ばれることもあります。
畔とは田んぼのふちのことを呼びます。
泥を塗ることで畔の土の隙間から田んぼの水が染み出てしまうのを防ぐことができます
田んぼでの作業はなれない泥の中での作業なので足元の状態が悪く、足を取られ大変です
皆さん動くときは足を取られないように慎重です
最初はぎこちなくクワを使っていた講習生ですがコツをつかむと順調に作業を進めていきます
慣れてくると動きやすくなってきますが、この日は日差しが強かったのでこまめに水分補給や小休憩をはさみ、熱中症に気を付けながら作業します
代かきは田んぼの表面の土をトンボでならす作業です
トンボを引きながら歩いて何度も田んぼの中を往復することで土が細かく砕け表面が平らになります。
土の表面が水面に隠れるような、ひたひた状態を目指してならしていきます。
耕した後にこの代かきを行うことで土が細かくなり土同士の隙間が小さくなり水が抜けにくくなります
さらに稲を植え付けやすく、稲の根が張りやすくなるそうです。
この「代かき」や「クロ塗り」といった稲を植える前の田んぼ作業は、収穫の成果に大きく関わります。
そのため、お米をたくさん収穫するにはこの作業がとても大切です
今回は耕運機の体験も行いました
耕運機は代かきを行う前の段階で田んぼを耕す田起こしの作業で使います。
人の手で作業するよりも荒いですが、人の何十倍もの速さで耕すことができる上に力強く均等に耕せます
耕運機体験の後は、続きの代かきとクロ塗りを行い今回の講習会は終了です
皆さんお疲れ様でした
次回の講習会ではこの田んぼに田植えを行います