令和元年度 里山ボランティア育成講習会(第11回)
2019年12月14日(土)9:00~「令和元年度 里山ボランティア育成講習会 第11回」
今回の講習会は、「植栽木管理」と「門松づくり」です
午前中に行ったのは「植栽木管理」です。
植栽木管理に必要なノコギリ、クワ、鎌などの使う道具を持って講習の場所へ移動します。
講習の場所に移動したら、講師から植栽木について説明がありました。
沢山池の里山では、5年前にコナラという樹種を植栽しています
この植栽したコナラの苗は、沢山池の里山のどんぐりから育苗したものです。
植栽したときは50㎝くらいしかなかった苗ですが、今では大きいものは2mくらいの高さまで成長しています
沢山池の里山では、植栽の方法は密植という苗を密集させて植える方法で植栽したそうです。
密植は「苗を風から守ることができること」と「枯れにくい強い苗を選定できること」が大きな特徴です。
これらの特徴は、風の影響を受けやすい苗を守り、将来元気な木を残すために大切なことです
苗を風から守る必要があるのは、苗が風に弱いからです。植えたばかりの苗は、苗自体が小さいため風に煽られやすく、植えたばかりで根が張れていないので自分自身を支えることができません。
しかし、密植するとお互いで風を遮り合い、1つ1つの苗への風は軽減され、強い風で大きく煽られても、苗同士が当たり、支え合うことで折れることはほとんどなくなります
枯れにくい強い苗を選定するには、沢山池の里山に合った苗を選ばないと順調に育ちません。しかし、苗が順調に育つかどうかは、植えてみないとわかりません。
そのため、元気そうな苗を選んで植えるだけでなく、たくさんの苗を植えてみて、その中から自然の力で丈夫な苗を選別する密植が確実だそうです
植栽木について学んだあとは、実際に植栽木管理を行います
作業内容は「雑草を刈る」「植栽木の支柱を更新する」「通路を修復する」「階段を修復する」です。
今回は作業内容が多いので、役割を分担して行いました。
植栽木の支柱を更新する作業は、竹林の整備で出た端材の竹を利用します。
竹は雨風にあたるため風化しており、1年に1度更新する必要があります
更新の方法は、竹を木づちで樹木の根元に打ち込み、樹木がなるべく直立するように支柱の竹で支え、支柱と樹木が交差している箇所をシュロ縄で縛り固定します。
育つ向きを樹木に任せると、風を受けて曲がったり、日の当たりやすい方向に伸びたりとまっすぐには育たないので、通路沿いの樹木として人の手を加えて整えます
階段の修復は、沢山池の里山の整備作業の中で出た端材を利用します。修復に必要な端材は、樹木の幹や大枝で、階段のステップ部分の材とそれを支える支柱です。それぞれちょうどいい太さの端材を探し、使う長さに材を切り出します
作業の手順は、まずクワで形を整えて、ステップ部分の補強に太い材を横に配置し、この材が動かないように木づちで支柱を打ち込みます。
重い材を運び、木づちで打ち込む作業は力が必要な作業でした。
今回の講習の中で、崩れていた部分はすべて修復でき、とっても歩きやすくなりました
以上で植栽木管理の講習は終了です。
午後に行ったのは「門松づくり」です
まずは講師が見本の門松を作り、それを見て、作り方の流れを確認します。
作り方は最初に、うつわ用のモウソウチクと中に挿すマダケを切り出します
モウソウチクを切り出すときは、直径から1㎝引いた高さで切り出します。
マダケは、上を向く切り口を斜めに切り出します。3本切り出して3本とも切り口の角度は同じになるようにし、長さは一番長いものでも38㎝以下にすると門松全体のバランスが取れるそうです
切り出し終わったら、中に挿すマダケ3本の配置を決め仮止めし、うつわのモウソウチクに乾燥した竹を割りながら詰めます。
マダケをしっかりと固定出来たら、うつわのモウソウチクにゴザを巻き、裾の部分を広がるように折り返します。
最後にうつわの隙間に松の葉と飾りを刺し、シュロ縄で飾り結びの「女結び」と「男結び」を結びます。
以上で門松は完成です
見本が完成したので、今度は講習生が各自で門松づくり開始です
1つの工程でも、きれいに仕上げるポイントはたくさんあるため、作業は講師からアドバイスをもらいながら進めていきます。
特に大変なのは「竹を切る作業」と「飾り結びを結ぶ作業」です
竹を切る際のポイントは、切り終わりに切る速さを落としてゆっくり切ることで最後に表面がはがれて、切り口がめくれるのを防ぐことができるそうです。
竹は硬く、切るだけで大変ですが、さらにポイントを意識しながら切るとなると難しいです。
飾り結びは竹を切るときのように、力のいる作業ではないのですが、結び方が複雑で少しややこしいです
何度か結んでみると結べるようになります。講習生も講師に教わりながら挑戦しました
門松づくりでは、上に「女結び」下に「男結び」の2種類を結びます。
女結びはリボン結びのような形になる結びです。リボン結びと違って複雑な結びですが、固く結ぶことができるので、緩みにくくきれいな形が保てます。
男結びは垣根結びやイボ結びとも呼ばれ、竹垣など結びで固定させるときによく使われる基本的な結び方です。