令和元年度 里山ボランティア育成講習会(第10回)
2019年11月9日(土)9:00~「令和元年度 里山ボランティア育成講習会 第10回」
今回の講習は、「間伐・除伐」と「竹垣補修」です
午前中に行ったのは樹林地管理作業の「間伐・除伐」です
まず最初は講師から間伐と除伐について説明がありました。
間伐と除伐は両方とも、育てたい(利用したい)樹木を健康に育てるために、それ以外の樹木を取り除くことを目的としています。
この2つの作業の違いは、切るタイミングです。除伐は樹木が若木の時点で切ってしまい、間伐は樹木がある程度育った時点で切ります。
切る対象の樹木は、密集しすぎて周辺の樹木の生育を妨害しているものや、病害虫の被害が出て健康でないものです。
説明の後は、必要な道具を持って作業場所に移動し、作業開始です
今回の講習会は、広場にあった倒木の撤去を中心に行いました。
倒木は大きいので、ノコギリで運べる大きさに切り分けながら、撤去していきます。
切り出した材は、前回補修したカントリーヘッジへ積みます。
沢山池の里山では、端材もすべて里山内で活用します
高い位置の枝は高枝ノコギリを使用しました。
高枝ノコギリは、高い場所にある枝を切るために使う道具です。自分の身長より高い場所にあるが切れるので便利な道具ではありますが、慎重に扱わないと思わぬ事故に
一番注意しないといけないことは、落ちてきた枝にあたらないようにすることです
枝を切るときは枝の下に立たないことはもちろんですが、高枝ばさみの持ち手を最大限伸ばすことでなるべく離れた位置に立つようにすることも大切です。
高枝ノコギリは柄が長くて重く扱いづらいです。
切り口から刃が離れないようにしっかりと支えないといけません。
実際に私も体験しましたが、高枝ノコギリの刃が切り口から離れるとバランスがとりにくいためふらついてしまい、もう一度切り口に当て直すのは大変でした
でも、ノコギリは使うほどコツをつかんで自分に負荷が少ない扱い方ができるようになるそうなのです。
講習生の皆さんも切れば切るほど、スムーズに切れるようになっていました
落ちていた枝も拾い、きれいに処理できました
これで午前の作業は終了です。
午後の作業は竹垣の補修作業を行いました
もともとあった竹垣は、残念ながら先日の台風で壊れてしまいました。この壊れてしまった竹垣の場所に新しく作り直します。
竹垣にはたくさんの種類がありますが、今回は四ツ目垣を作ります
竹を縦の立子(たてこ)と横の胴縁(どうぶち)に四ツ目で組んでいることから「四ツ目垣」と呼ぶそうです。
四ツ目垣の作り方はまず、支柱と直角に3本の胴縁用の竹を釘で打ち付けます。
この時、胴縁は地面と平行にし、3本の間隔を均等に固定します。胴縁は3本が均等にならないと全体が傾いた竹垣になってしまいます。一度固定してしまうと後から胴縁の位置は変えられないので、この時点でしっかりと確認します
胴縁を固定したら次は立子です。
立子は胴縁の表側と裏側交互に並べ固定します。固定はシュロ縄で立子と胴縁を結びます。
~シュロ縄~
シュロという植物で作られたロープを炭で黒く染めたものです。墨で染めることで傷みにくく、植物を材料としているためビニールのものと違い締めやすいです
シュロ縄は水に漬けて濡らすことで結びやすくなり、結んだ後に乾くことでより締まるので濡らして使います。
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結び方は下の写真の男結びです。イボ結びや垣根結びと呼ばれることがあります。
この結びは、きつく結べて緩みにくいだけでなく、飾りとしての役割もあります
最後に立子の高さがそろうように調整して、立派な竹垣の完成です
1つ1つの工程が難しいですが、その分達成感があります
以上で竹垣づくりは終了です。