令和元年度 自然観察会「野比かがみ田谷戸自然観察会 "秋"」


2019年9月15日(日)13:00~ 野比かがみ田谷戸自然観察会 ”秋”

 

 今回は野比かがみ田谷戸で、秋の自然観察会を開催しましたsign03
 
 
 今回の観察会も前回の観察会と同じようにビンゴゲームをとおして自然観察を行います。
 案内してくださる先生は横須賀市自然・人文博物館の元館長である林先生と三浦半島昆虫研究会の辻先生のお二人ですsign01
 
 
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 まず観察会を始める前に、林先生から自然観察のルールを教わりましたbookpencil
 生きものをつかまえて観察するときは「素早く観察してすぐに逃がす」ことを意識します。
 生きものは人につかまっているだけで大きなダメージを受けます。今日は、参加者全員で観察するので、一人ひとりが素早く観察することが大切です。
 
 自然観察会でのルールをみんなで確認したら、先生を先頭に自然観察に出発ですsign01
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 最初に観察したのは、竹に絡みついたつる性植物ですbud
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 竹に絡みついたつる性植物は2種類見ることができました。
 1つ目のつる性植物は白いラッパのような花をつけるカラスウリです。大きな丸いウリ科ならではの葉をつけます。
 もう1つのつる性植物は、ガガイモです。毎年綿毛をつけるのが特徴の植物で、名前にイモとつきますが残念ながら食べてもおいしくないそうですbearing
 
 
 田んぼの近くでは、葉に黒い模様の出るミゾソバがたくさん育っていました。先生によると、ミゾソバの葉には蝶のような模様があるとのこと。言われて見ると蝶に見えてくるような・・・?
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 野比かがみ田谷戸にはいろいろな場所で大きなクモが巣をつくっています。今の時期に巣をつくっているクモはほとんどがジョロウグモだそうですcoldsweats02
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 ジョロウグモはオスとメスで見た目が全く違うのが特徴です。メスは体が大きく黄色の混ざった目立つ見た目をしていますが、オスは体が小さく地味な色をしています。見た目が全く似ていないので、違う種類のクモが1つの巣に住んでいるように見えますがちゃんと同じ種ですcoldsweats01
 
 ジョロウグモ以外にもナガコガネグモという種類も見ることができました。ナガコガネグモは足まで縞模様がくっきりと確認できるのが特徴です。
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 クモの種類だけでなくクモの巣についても教えてもらいましたsign01
 クモの巣は縦と横の糸でできています。横の糸はネバネバしていて、虫たちを捕まえる用の糸です。一方、縦の糸はネバネバしていません。なので、クモは縦の糸の上を歩きます。クモの巣を見たらぜひ横糸とと縦糸を意識してさわってみてください。
 
 それと、クモがいつも頭を下にしているのには3つの理由があるそうですeye
 1つ目の理由が、巣をつくるときに糸を上から下へ張って行くため着地先を向いているそうです。クモが巣をつくる時は重力を利用して糸を引くため、上から下へつくります。
 2つ目の理由は、3つある目の配置的に天地両方を見るためには頭を下にするそうです。目が3つもあるのも驚きですが、天地両方を常に見ているのにもびっくりですcoldsweats02
 3つ目の理由は、エサである虫が巣に引っかかったときになるべく早くエサのかかった地点に行くためだそうです。基本的にクモは巣の上部に待機していて、重力を利用して降りていくことで素早く移動しますdash
 
 
 
 次に観察したのはトンボですsign01
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 今の時期は年に3回のトンボがたくさんいるピークの時期の1つです。なのでトンボをたくさん見ることができますhappy02
 野比かがみ田谷戸は、ここの場所だけで20~30種類のトンボが生息している貴重な環境だそうですshine
 その中でとくに多く見ることができる種はシオカラトンボの仲間で、毎年約400匹のヤゴが成虫のトンボになっています。このシオカラトンボの成虫は、オスの体の色が青色でメスが黄色なのが特徴ですhappy01
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 ヤンマの仲間で辻先生から紹介があったのは、春から初夏に飛んでいるクロスジギンヤンマと目も体も緑色のヤブヤンマというトンボです。
 ヤブヤンマはほかのトンボのように水の中に卵を産まず、湿った土に卵を産む珍しい種類です。タイミングが合えば地面にとまって卵を産むところを見ることができますnote
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 ほかにもたくさんの種類のトンボがいますが、種類によって住む場所や成虫になるタイミングを変えることで住み分けがされています。この住み分けは、薄暗い水辺か明るい水辺かなど少しずつの違いです。
 条件の違う環境で見比べることでよりたくさんの種類のトンボを見ることができます。逆にトンボの種類で周辺の環境もわかるので観察の視点を変えてみるのもおすすめだそうですhappy01
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 湿地の近くにはセンニチソウがたくさん咲いていました。地味な色の野草が多い中、白色が遠くからでも目を引きます。十字の白い部分が花びらに見えますが、花びらではなくガクという器官です。ほかの植物ではガクが緑色のことが多いですが、センニチソウは白色の部分がガクで本当の花びらは真ん中の黄色い目立たない部分だそうです。
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 田んぼには収穫間際の稲が育っています。稲の花は花弁が小さくおしべめしべが目立つ変わった形をしています。開花するとお米のような独特な香りがするそうですsign01
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 コースを一周したら最後に、きょう観察したことを振り返りながら、ビンゴゲームの答え合わせです。
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 無事に全員がビンゴすることができましたhappy02
 以上で秋の自然観察会は終了ですsign01
 
 次回の観察会は冬を予定しています。ぜひご参加くださいsign03