平成30年度 里山ボランティア育成講習会(第11回)
2018年12月15日(土) 9:00~ 第11回 コース整備・門松づくり
2018年最後の里山ボランティア育成講習会です。
次回で最後の講習会ですね、寂しいです・・・。いいえ、講習生のみなさんは来年度からOB会の一員として沢山池の里山に携わってくださることでしょう。
OB会のスタートラインはすぐそこです寒い冬を乗り切ってスタートラインを目指しましょう。
本日の講習の内容はコース整備・門松づくりです。あれ、沢山池の里山入口に大きな門松が本日の門松づくりでこの大きな門松を作り・・・ません。こんなに大きな門松も作れますが、持ち帰りが大変なので持ち帰れるサイズの門松を作製しますよ
門松づくりは午後に行いましたので、まずは午前に行ったコース整備から振り返ります。
今日の作業の説明が始まり・・・あれっ本当に作業の説明でしょうか?
この写真は、講師の方が「準備体操しましょうか」と言って始まりました準備体操の時間です。
寒さで筋肉が固まっている体をしっかりとほぐしていきましょう。ところで、どうして寒いと筋肉が固まるのでしょうか?それは、人間が恒温動物だからです。詳しく説明すると、人間の体温は37度近くに保たれていますが、気温が寒いと体温も下がります。ですが人間は体温を下げないために、筋肉の収縮という運動を行い熱を作ることで体温を調節しているそうです。筋肉の収縮という運動を行うと、熱を生み出す代わりに筋肉が固まっていくというわけです
準備体操をして筋肉がほぐれたところで、作業に向かいます。
話がそれてしまったのでもう一度。午前の作業はようせいの小道とコナラ樹林地でコース整備です。
コース整備という名称ですが、具体的な作業は草刈り・間伐・除伐・斜面のステップづくりと多岐に渡ります。草刈り・間伐・除伐は今までの講習会で行いましたので、コース整備は今までの講習会のまとめにふさわしい作業です。残りの「斜面のステップづくり」とは、斜面の土を締め固めて人が通りやすい段差を作る作業です。
作業に移りたいところですが、草刈り・間伐・除伐をどの程度まで行えばいいかがわかりません。目安としては、人が歩いてみた時に「ここは歩きやすいな」と思うコースです。想像してみてください、雑草や木の枝をかき分けながら進む道と整備された道があるとしたらどちらが歩きやすいと思いますか?整備された道を選ぶ方が多いと思います。ですから、沢山池の里山に訪れた方が「整備されていて歩きやすい」と思うコースになるのが、本日の作業の目安です
道をふさいでいる木を除伐します。
小さな木の枝や蔦、草等を取り除きます。
高木の垂れ下がっている枝を高枝ばさみで切り落とします。
コナラ樹林地のステップづくりを行います。
「ここの枝を払いましょう」「ここの草を刈りましょう」と講師の方が言うことなく、講習生各自が思い思いの場所で作業を行っています。これまでの講習会で技術が身について自ら実践できている証拠です
その成果がこちらです。見事、上りやすいステップや通りやすい道が完成しましたステップは雨が降ると崩れてしまい、草や蔦は伸び、枯葉も落ちてきて整備された状態はそう長続きしないため、沢山池の里山に訪れた方が「歩きやすい」と思えるように整備を継続していきたいですね
午後の作業です。講師の方が完成後の門松の見本を用意してくださいました。こんなに完成度の高い門松作れるのかな?と思ってしまいます
完成度の高い門松を作るべく、最初に講師の方がデモンストレーションを行いました。
まずは竹を3本分切ります。この「3本分切る」作業が非常に難しいです1本目は竹の下部分をまっすぐに切り竹の上部分を斜めに切るだけで簡単ですが、2本目からは1本目と同じ角度で切らなければ見栄えが悪くなってしまいます。そして3本それぞれの長さにも気を遣わなくてはなりません。高い竹は後ろに配置し、低い竹は手前に配置しますが。後ろに1本で手前に2本配置する組み合わせや、3本それぞれの長さを変えて斜めに配置する組み合わせもあります。講師の方曰く、「正解はない、好きなように作ったものが正解です」とのことです。個性が問われます。そして竹の節を切り口に含めるか含めないかでも個性が分かれます。切り口に節を含めて笑っているように見せることができます。「笑う門には福来る」ですね。「門」松だけに
続きましてテープを3本の竹に巻きます。このテープは一時的に固定するものですので、後ではがします。テープが見えていたら見栄えが悪くなりますからね
次は、「ズーン!」。大きくて重たそうな竹が登場しました。この竹は3本の竹を入れる受け皿として使用します。ちなみにこの大きな竹は「孟宗竹」といいます。3本の斜めに切った細い竹は「真竹」です
受け皿として使用する孟宗竹に両面テープが巻かれています。この両面テープに御座を巻きますがその作業は後ほど。
作製中の門松の周辺に色が茶色で割れた竹がいくつかあります。この竹は受け皿として使用する孟宗竹に、3本の真竹を入れたときにできる隙間を埋めるために使用します。土や粘土を入れて固める方法が多いのですが、今回は割った竹を詰めていきます。ここで疑問となるのが、どうして隙間を埋める竹だけ色が違うのかな、ということです。その理由は、水分にあります。切り出した竹は時間の経過とともに緑色からベージュ色に色あせていきます。竹は色あせていくのと同時に乾燥していきます。乾燥すると水分が減ります。切り出して時間が経っていない竹を隙間に埋めると、受け皿として使用する孟宗竹と3本の真竹の間をぐらつきなく埋められますが、時間がたつとぐらつきが生じます。これは乾燥して体積が減るからです。
長くなってしまいましたが、まとめると切り出したばかりで水分のある竹を使うと後にぐらつきが生じるため、すでに乾燥した竹を差し込んでぐらつきをなくしているというわけです
御座を切って受け皿として使用する孟宗竹に巻きます。
巻いた御座を縄で結びます。
シュシュッと巻いて
完成
いきなり?作業工程は?と言いたくなりますねこの記事だけだと簡単に感じますが、実際はすごく難しいです。この結び方は男性と女性をイメージしているとのことでしたが、とにかく結び方が難しいこの結び方を知りたい方はぜひ里山ボランティア育成講習会に参加しましょう。新年を手作り門松とともに迎えられます。
松の枝を切り門松に入れます。
飾りをつけて3本の竹を紐で結んだら、デモンストレーションで作製した門松の完成です。
孟宗竹に巻く縄の結び方も難しいですが、3本の真竹に巻く紐の結び方もまた、難しいです結び方を知りたい方は「梅結び」と検索してみてください。難しさがわかると思います。
それではみなさんで実践開始です。講師の方でも角度を微調整するほど繊細な作業です。初めて作る講習生のみなさんは悪戦苦闘しています。
各々の作業に没頭しております。集中すると黙々とした時間が続きます。
それでは完成した門松と記念撮影・・・といきたいところでしたが、みなさん門松づくりに集中して行った結果、時間が押してしまいましたので終わりのあいさつのみを行い本日の講習は終了です。
次回が最終回です。がんばりましょう