平成29年度 田んぼづくり講習会(第6回)
2017年9月23日(土)9:00~ 第6回 脱穀
今日は秋分の日です今日を境に、12月22日頃の冬至まで日が落ちるのが早くなっていきます。冬至からは徐々に日が出ている時間が長くなっていきます
ところで、秋分の日ですが、ほとんどの人が9月23日頃の日にち固定の祝日と思っているんじゃないかなと思います。実は秋分の日は9月23日固定ではないんですね去年のカレンダーを見てみてください2016年は9月22日が秋分の日でした。秋分の日は国立天文台が作成する「暦象年表」という小冊子に基づいて毎年閣議決定されるんです秋分の日は、昼と夜の長さが同じ日、という日ですが、みなさんご存じのとおり、地球の公転と世界で使われている24時間という時間軸には微妙なズレが生じます閏年で調節はしますが、昼夜の時間が同一かどうかは天文学に基づく計算によってきちんと算出されていたんですちなみに、1980年から2011年までの32年間は9月23日が秋分の日でしたこの32年間という年月が、「9月23日=秋分の日」と思うようになったんでしょうね
話がだいぶ逸れてしまいましたが、今日が田んぼづくり講習会の最終回です前回、稲穂の発育が悪く、稲刈りを今回にまわしたので、今日の作業は稲刈りです。別の稲を使って脱穀をしようと考えていましたが、あいにく天気に恵まれず、今年は脱穀だけ別日程でやることにします。というわけで、今日は稲刈りがメインです
こういうイベント事では、雨が降ると中止や延期が一般的ですが、この講習会は余程の強雨でなければ中止などになりませんなぜなら、農家は雨だからお休みするということはなく、また稲の発育状態は人間がコントロールできるものではないからです
稲穂の状態を見てみます。左が前回の写真、右が今日の写真です。比べてみると、前回時点では稲穂が青く、収穫に適していなかったことがわかります。
鳥除けネットをはずして稲刈り開始です
通常、稲刈りの時は田んぼに水はありません入れる必要がないのと、水が張ってあるととにかく歩きづらい水があるかないかで作業効率と疲労度が大きく変わってきます。水の抵抗は空気抵抗と比べると、およそ19倍ほどもあります。つまり、田んぼに水がある場合は、水がない場合に比べて約19倍の抵抗があるため、水が張ってある田んぼの中を歩きながらさらに稲刈りまでするとなると、その疲労度は乾いた田んぼでの作業の比ではないということです。疲労度は何倍になるのでしょうね
刈った稲は10束ほどを1つとして結んでまとめます。結ぶのに使っているのは去年収穫した稲です。稲藁として使用しています。今年の稲も脱穀後は稲藁や藁細工にします。稲は不要な部分がないとてもエコな植物なのです
さて、今年もやってきました毎年恒例アレのコーナーです今年のダービーを制したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こちら今年の講習生でした笑
ちくしょーやっちまったよと現地でも叫んでおりました。笑
今にも叫び声が聞こえてきそうな表情をしています転倒直前にカメラマンが「ちょっと腰が低くて重心が安定しすぎているからもう少し重心を高くしてくれないと・・・。」と声掛けした矢先での出来事でした笑
転倒しても作業は手を抜かず、最後までやり切りましたさすがです
稲刈りと稲の束ねは無事終わりました
田んぼから上がる際に、次の犠牲者を探すカメラマンの視線に気付き、私は転びませんよ?といった表情でこっちを見ながら畔に向かう講習生
・・・転倒しませんでした。残念笑
刈った稲は「稲架掛け(はざがけ)」をします。稲架掛けとは?稲を干すことです稲架掛けについては平成28年度田んぼづくり講習会第5回の記事を読んでみてください
束ねた稲を稲架まで運びます。
こちらが稲架掛けの様子です。すでに稲が干されていますが、これは同じ田んぼで近隣の小学校が田植え体験をしており、その小学生達が今日よりも前にやった分です。
小学生達がやった所より上の部分に掛けていきます。高さにして約2m強程度ですが、不安定な単管パイプの上なので稲架掛けしていたこちらの講習生は恐怖を感じたそうです・・・が、表情が笑って見えるのは、人間はあまりにも恐怖を感じた時にはむしろ笑ってしまうというアレでしょう
稲架掛けは干して乾燥するために行うので、本来このような雨が降るような時は適していませんしかし、天候はどうにもできません稲架掛けが終わり、いよいよ作業は最後です。といっても最後は作業ではなく余興のようなものです。稲藁を使って正月飾りを作ります
稲を束ねて、3つに分け、それぞれねじります。そして、それをあんなふうにしてこんなふうにもして最後の輪っかの部分を稲藁で結んで・・・
見事な正月飾りが説明を端折りすぎですって?いえいえ、作り方の詳細はぜひ講習会に参加されて学び、この飾りをご自身で作ってみましょう
さて、全6回の田んぼつくり講習会も今日で最後となりました。第1回の記事でも述べましたが、この講習は農家を育成するためのものではなく、里山的環境の保全を目的としています。里山的環境の1つが田んぼであって、田んぼ作業は手段の1つであり、お米を収穫することが目的ではありません田んぼがある環境に寄ってくる水生昆虫やカエル、それを狙うヘビなどが生息していける場所を人の手で再生させ、そして周りの木々などにたくさんの生きものが生息し、みどり豊かな環境を守っていくことが目的です。ヤマアカガエルは個体数が大幅に増えるなど、この活動の成果も徐々に出始めています。興味を持たれた方はぜひ来年度の田んぼづくり講習会へご参加ください
講習生のみなさんお疲れ様でしたそして、この記事をお読みいただきましたみなさま、ありがとうございました。また来年お会いしましょう