平成29年度 里山整備・ものづくり講座(第1回)
2017年6月10日(土)9:00~ 第1回 オリエンテーション・下草刈り
里山の手入れ講習会は今年で5年目に突入しました今年から「里山林手入れ講習会」から「里山整備・ものづくり講座」と名称を変えていますが、実際の活動内容に合わせて名称変更をしただけで、内容が大幅に変わったということではありません。まずは講座の内容をお伝えする前に、毎年恒例「里山」の説明からしましょう
「里山」とは中々耳慣れない言葉だと思います里山とは、人と自然が共生する場所、のことです。具体的には、薪材を切り出したり、家の素材や椅子などの素材として木材を切り出したりする場所のことです。この木を切るということが実は自然の保護につながるのですちょっと想像してみてください。木の伐採がされず、伸びすぎた枝すら切られない林や森はどうなるでしょう?そう、荒れ果てるんですね去年の記事でも書きましたが、手入れのされていない林や森を見た時に、人は、素晴らしく雄大な自然だ、とは感じず、不気味で近寄りがたいな、と感じてしまいます。人間の力の及ばない自然というものへの畏怖の感情がそれを感じさせるのかもしれませんが、いずれにせよ多くの人が雄大で美しいものと感じる自然は、実は手入れをされた自然状態なのですね
それでは今年度の講座を開始しますまずは里山と里山整備の説明からです。
この講座は、横須賀市で進めている里山的環境保全・活用事業の一環で行っています。里山的環境とは、現在、もしくは過去に「田畑、水路、ため池、雑木林」なの一部が存在し、それらの要素が人々の生活にとって、身近な自然環境となっている地域、と市では定義しています。
里山とは、最初に述べましたが、薪や材木を切り出したりすることを目的とします。しかし、現代の生活で、山から木を切り出しそれを生活の材としている人はほとんどいないと思います。里山は人の生活と自然が共存している状態ですが、それを再現することは難しいので、里山「的」環境としています
こちらは本日のメイン作業である下草刈りに使う大鎌の説明をしているところです。普段、大鎌を使う機会はほぼないと思いますので、取り扱い注意です
それでは、実際に沢山池の里山を散策してみましょう
初めてこの沢山池に来ると、こんな自然が横須賀にあったのか、とみなさん感心されます屋久島の縄文杉とまではいきませんが、横須賀の自然も中々のものでしょ
さて、こちらが本日の作業場です。ここは沢山池の里山で行っている田んぼづくり講習会で田植えなどをしている田んぼからさらに奥に進んだところです。今日は下草刈りという大変地味な割に体力を使う作業ですが、下草刈りは木々に栄養を送るために雑草を刈るということや、これからもっと大きな作業をしていく上での基礎作業と心構えを習得するのに適しています問題は作業自体が地味で思った以上に疲れることでしょうか。この思った以上に疲れるという感覚も重要です。つまり、余分な力が入っているということです
みなさん張り切ってます今日は風が涼しくて作業をするには絶好の日和ですが、日差しが強い日は無理してはいけません何事もそうですが、始めたばかりの頃はペースがわからないので張り切って最初から全力を尽くすので、休憩すら取らずに作業をしてしまう傾向にありませんか?スポーツだとあと1本やったら休憩しよう、のような目安がありますが、里山整備には目安なんてものはありません。自分の力量を知り、自分を律するのです精神鍛錬にもなりそうです笑
さて、午前の作業はここまでです。昼食をとり、続いて午後の作業です。
午後の作業は植樹をしているコナラ道の下草刈りですはい、今日はとことん草を刈ってください
こちらは午前の作業に比べると植樹した木の回りの草を刈り、木に栄養がいくようにする作業なので、作業進行度合いがわかりやすいですね
この支柱を立ててあるものが植樹をしたコナラです。この下草を刈ります。
面積が大きくないので人数が多いと作業はすぐ終わってしまいます。ここは斜面なので、斜面での草刈の練習にはよいですね
ところで、コナラ道ですが、ここにあります。
手前が田んぼです。真ん中やや上に小さく見えるのがコナラの植樹場所です。
最後に使った道具の手入れをして終了です。
みなさんお疲れ様でした