平成28年度 里山林手入れ講習会(第5回)
2016年12月10日(土)9:00~ 第5回 間伐した竹でベンチづくり
里山林手入れ講習会も5回目を迎えました。本日は竹を使ってベンチを作ります。カントリーヘッジを作ったり、階段を作ったり、そしてついにこの講習会では竹製ベンチまで製作してしまいます竹でベンチを手づくりします、なんてきいたことありますそんなものまで手づくりできてしまうのかと私が感心してしまいました竹ですが、今回は沢山池の里山から新たに切り出したものではなく、以前切り出したものや、門松作りで残った端材などを使用します。
本日は様々な工具を使用するので、ケガをしないようまずは準備運動から
さて、ベンチを製作する、と一言で申し上げましたが、皆さんも考えているとおり簡単にできるものではありません。今回製作するものは、ネジやクギを一切使わず、竹と紐のみで作る本当の手づくりです。竹は里山林手入れ講習会第2回(https://yokosuka-satoyama.jp/nikki/2016/07/282-1.html)でも書きましたが、大きな分類ではイネの仲間なんですねそして、加工もほかの木などに比べると容易です。竹は様々なものに加工されていますが、最近では竹を使った自転車なんてものもあります。自転車のフレーム部分の素材に竹を使うんですねさぞ高価なものなのだろうと調べてみましたが、意外にも6万円台からと思ったより高くはありません。え十分高価ですって?いえいえ、大量生産できる金属製の、いわゆるママチャリですらどんなに安くても1万円くらいからです。大量生産できない竹製の自転車で、それにかかる労力を考えると6倍でも安いくらいですちなみに、木製の自転車もあるのですが、こちらは何と200万円以上します竹は調達しやすいとはいえ、こんなにも価格に差があるのですね。
それではまず各部品の加工開始です。いくつもの部品を組み合わせて作るので、穴を開ける位置や、削る位置などずれるわけにはいきません。部品作製に失敗すると、竹の選別から始めることになってしまいますので、時間のロスにもなります
接合部分の細かな調整と、竹には節がありますので、節を丁寧に削ります。竹の繊維は縦にあるので、力の入れ方を間違えるとすぐにぱっか~んと割れてしまいます
作った部品を合わせてみます。おお上手くできているようですよベンチの脚ですが、脚を1本ずつ作るのではなく、1本の竹を曲げて2本にします。
竹は火で炙る(あぶる)と曲がります。炙りすぎると割れてしまうので、加減が難しい加工です。写真だとわかりにくいですが、バーナーで炙っています気づいた方がいるかもしれませんが、炙っているのは今年の門松づくりのイベントで講師を務めたあの方ですこれを見た某氏も負けていられません。そう収穫祭で火の当番を務めたMr,ファイヤーです
火神アグニよろしく、バーナーを巧みに操り、竹を曲げていきます。バーナーを使用する際には手袋に要注意です。耐熱用でないゴム手袋を使用していて、万が一ゴム手袋と一緒に火にあたると、大変悲惨な火傷を負いますMr,ファイヤーも気を付けて
炙った竹をどのように使うかというと、上の写真のようにベンチの座る部分となる骨組みに巻きつけるようにします。1つずつの部品を合わせるより、1本で作った方が強度が増します。
ちなみに、脚部の部品全体はこのようになっています。細く加工したところを炙り、曲げていくんですね
続けて脚部分を巻きつけていきます。右の写真の手前に脚部品ではないものが見えます。これは補強用です。何の補強かって?それはまた後ほど
脚部品に開けた穴に、支えとなる竹を通します。座る部分にも当然竹を使いますおや何だかベンチに見えてきましたよ
座る部分にも竹を敷き詰めました。完成間近ですそういえば、アノ部品。
先ほどの部品ですが、脚部の補強の竹をさらに補強するために使うものでした細く加工した部分をバーナーで炙り、曲げて巻きつけます。いやー、本当に竹って加工が容易ですね写真ではテキパキと作っているように見えますが、これは写真マジックです実際は1つ作るのに6時間以上かかっています。予定では5脚製作する予定でしたが、とても5脚作れるような時間はありませんでした各部品の長さや穴を開ける位置を示した図面もあります。竹トンボ作るのとはわけが違うので、やはり図面等々が必要です
いよいよ完成です
どうですかこのクオリティどこかの家具屋で売られていてもおかしくない出来栄えん?ちゃんと座れるのかって?もちろんベンチとして使えますよ
作ったベンチに座り記念撮影ですほら、座れますでしょう?100人乗っても大丈夫!・・・とまではいきませんが、少なくとも大人4人が座ってもビクともしません
本日の作業はこれで終了です。次回はついに最終回です