秋の里山 自然素材でものづくり体験
日時:2016年10月23日(日)9:00~
秋の空 露をためたる 青さかな
正岡子規の俳句です。9月は雨が降り続きましたが、10月に入り秋を感じることが多くなりました沢山池の里山もめっきりと秋を感じるようになってきました。
今日は、沢山池の里山で採取した素材を使ってものづくりをします本日つくるものは2つ。ミニ門松とリースです。今回もたくさんの方が参加してくれました今回の里山日記は、時系列ではなく、2つのコースごとに紹介しようと思います。まずは「ミニ門松」づくりから
ミニ門松づくりの参加者は20名です。参加者は、と書きましたが応募総数は50名を超えていたので、抽選の結果当選した方が20名です落選されてしまった方は次回のイベントにまたぜひご応募お願いします講師の阿部さんがまずはお手本を見せます。
竹を切る際のコツや、門松にした際のバランスなどなど、たくさんのことを説明してくれています。聞いている分には、なるほどなるほど、となるのですが、果たしてうまくできるでしょうかちなみに、完成品のお手本はこちらです。
え手づくりでこのクオリティと思われた方。そうなんです。手づくり感満載の門松ではなく、かなり本格的な門松が今日はできちゃいますサイズは「ミニ」なので直径15cm、高さ45cm程度です。マンションの玄関に飾ったり、家の中に飾るには最適なサイズ感です。お手本は松竹梅が揃っていますが、梅は沢山池にありませんので、飾り用の造花で代用です。写真だと見づらいですが、梅の花を表現した縄も巻いてあります。一番背の高い竹ですが、竹の節の部分を斜めに切って使用しています。こちらは切った口が笑ったように見えることから「大笑い」とも「笑う角には福来る」とも言われており、縁起の良いものとされています
では、参加者の様子を見てみましょう
まずは自分が想定している大きさの門松の、器の部分となる竹を切ります。たくさんの写真を撮りましたが、子ども達が竹を切っている様子をチョイス普段、のこぎりを使うことなんて滅多にないと思います。竹は丸いため、切る際に安定感もなく、切るのが難しそうです一度切れ込みを入れると割と簡単に切れるんですけどね
切ったあとは、高さの調整です。3本のバランス、高さのバランス、並べ方のバランスなどなどみなさん真剣に悩んでいます右上の写真ですが、倒れないように養生テープを使って補強しています。現代は養生テープなど便利なものがたくさんありますが、もっと昔はどのように竹を固定していたんでしょう?一説によると、松竹梅の縁起物の起源は室町時代のようです。テープなどない時代なので縄で固定していたんでしょうか。器の部分ですが、竹を3本入れてもやや隙間が空いています。隙間には、これまた竹を細かく切ったものを入れています。隙間なく竹を押し込み、3本の竹を固定します。そうしないと竹がすぐ抜け落ちてしまうんですね
みなさん段々と形ができてきました器の部分に何か巻いていますが、これは畳表です。ホームセンターなどで売られている畳表を切って器部分に貼り付けています。これ、性格がよく出てます笑
これが巻けたらあともうちょっとです。
さて、ここまで出来たらあとは松で飾り付けて縄を巻けば完成です。ですが・・・この縄の巻き方が何度見せられても覚えられません難しい何と説明していいのやら言葉が浮かびませんなので、これは阿部さんに教えてもらうのが確実です。みなさん縄を結ぶ段階で講師の阿部さんを頼り、阿部行列が出来上がっていました
では、完成したものを披露です。
門に飾るような対の門松は荒縄を3本巻くのですが、ミニ門松は3本も縄を巻けないので2本巻きにしています。この縄ですが、男性と女性を表しているそうです。今回のミニ門松の場合の巻き方だと、上が女性、下が男性を表す縄とのことです。
1つの門松をつくる所要時間ですが、大体1時間半といったところです。どうです?自分でも作りたくなってきましたか?次回開催時にぜひぜひご応募お待ちしています。
それでは、次にリースづくりの様子をお伝えします
リースづくりの参加者は21名です。まずは講師の元木さんが今日の説明をします
これからクリスマスシーズンに突入ということもあり、季節としてはリースづくりはぴったりですリースの素材は沢山池で現地調達です。素材採取と里山散策を兼ねていざ出発
・・・と、採取しているところの写真をうっかりして撮り忘れてしまいましたみなさますいません・・・・・・。
気を取り直して、採取した素材をリースにするところから紹介します
枝やツルなどを使い、土台となる枠を作ります。輪っか状に加工している人がほとんどです。というより、輪っか状のリース以外見たことないのですが、三角や四角にも加工できるものなのでしょうか
ところで、リースっていつの頃からあったのでしょう?リースの歴史は古く、起源はローマ帝国時代までさかのぼりますローマ帝国は紀元前753年に現在のイタリアで興り、様々な変遷を経て東ローマ帝国滅亡の1453年まで続いた大帝国です。様々な変遷があったとはいえ約2200年も続くとはとんでもない国家ですね人類の有史とほぼ同じ年です。さて、リースですが、祭事の時に女性の冠として使用されていたようです。当時も現在と同様、花や枝、ツルなどを使用して作られていました。月桂樹で作られた冠は「月桂冠」として今でも有名ですし、某酒造メーカーの企業名にもなっています。月桂冠はギリシャ神話に出てくる太陽神アポロ(アポロンとも言う)と関係が深く、邪気を払う霊木としてヨーロッパではあがめられているそうです。月桂冠ってどんな?と思われた方は画像を検索してみてください。ああ、これかと多くの人がなると思います。
さて、みなさん段々とリースの形ができてきました。
葉を使ったり木の実を使ったりと様々なリースが出来ていますリースの中に十字の飾りを作った人もいます。講師の元木さんが感心していました
完成品も出来始めました。見せてもらいましょう
おっ、ローマ帝国を彷彿とさせる冠を作った方もいますね自前で持ってきたリボンなどを付けてクリスマスリースを作った方もいます。リースの中に球体を作って、その中に木の実などを入れたリースを作った方もいますリースは平面である、という常識を打ち破る作品だと講師の元木さんも褒めていましたみなさんいい笑顔ですね
最後に自分のリースを持って記念撮影です
ミニ門松づくり、リースづくりともに好評を博しました。みなさん、気に入った作品ができたでしょうか
里山の手入れで出た端材を使ってのものづくりですが、とても立派なものができたと思います。木を切ったり竹を切ったりと、自然を大切にするのに木を切ってもいいのと疑問を持たれる方もいるかと思います。里山は古くからの人と自然との共生です。人は自然に生かされ、自然は人の生活に活かせる素材を提供してくれます。必要以上の木の伐採などは行いません木も土も動物も人間と同じように病気になったりします。そうしたことを防ぐためにも、枝の打ち払いや枯れ木の撤去、大きすぎる木の伐採が必要なのです。今日はそうした里山の素材を使ったものづくりでしたみなさんご参加ありがとうございました。
そして、これを読んで参加したいと思ったそこのあなた次のイベントにぜひご参加してくださいお待ちしています