平成28年度 田んぼづくり講習会(第6回)


2016年10月1日(土)9:00~ 第6回 脱穀

 

 5月に始まり、様々な田んぼ活動を行ってきたこの田んぼづくり講習会もついに最終回がやってきましたhappy01本日は『脱穀』です。稲と籾を分ける作業ですね。今年は豊作でしたが、さて何kgの収穫があったでしょうかsign02

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 まずは作業の説明から。

 ところで、通常ははざ掛けした稲が乾ききってから作業を行わなければならないのですが、9月は雨が多く、中々天候に恵まれませんでした。すると、籾に異変がsign03

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 なんと、穂発芽(ほはつが)してしまいましたsign03coldsweats02このまま放っておくと、籾の中のお米部分がなくなってしまいます。急いで脱穀せねば!ということで、乾ききっていないのですが脱穀をすることになりました。収穫した稲の全てが穂発芽したわけではないので、他の穂が発芽してしまう前に脱穀開始です。

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 本日のびっくりどっきりメカはこちらshine脱穀機です。現代の大規模農業ではほとんど使われることがなくなりました。大規模農業では「コンバイン」を使い、稲刈りと脱穀を同時に行う方が主流のようです。コンバインが入れない地形では脱穀機を使うこともあるようです。上部の白いフタを開けると・・・

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このようになっています。ここが回転して穂と稲を分けるんですね。

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 脱穀機内部の説明中です。便利な機械ですが、使い方を誤ると大惨事なので、機械の説明はよくきいておきましょうconfident

 ところで、農業の機械化っていつ頃から始まったのでしょう?ちょっと調べてみましたflair

 農業の機械化ですが、実は法律で促進されています。「農業機械化促進法」という法律があります。昭和28年に制定、昭和37年に施行されています。昭和28年を西暦にすると1953年です。この年代は何があったか。小学校や中学校で習いましたねwinkいわゆる朝鮮戦争が1950年から1953年にあり、戦争による特需が日本に起こりました。日本が直接参戦したわけではありませんが、戦争に関わる物資の注文が大量に入るわけです。つまり、この時期に日本の工業が飛躍的に伸びたのです。すると、工業生産に人員が必要になるので、農業従事者は次々に工業従事者へと変わっていくわけです。しかし、農業を完全に廃止することはできませんし、農業を続けていく人も当然いるわけです。そこで、農家不足を解消するために、農業の機械化を促進し、人が足りないところは機械化で補おうとしました。ここが近代農業機械化の始まりのようですねpaperちなみに、この農業機械化促進法ですが、最新の改正年は平成26年です。使われていない法律ではないようですね。

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 さて、脱穀に戻ります。脱穀機に通すだけで稲と籾に分けてくれる機械ですが、通すには人の力と調整が必要です。

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 稲を通した反対側からはこのように稲だけが落ちてきます。籾は、

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別の口から出てきます。写真だと全くわかりませんが、この脱穀機とにかく音がとてつもなく大きいcoldsweats01かなりの至近距離でないと会話もままなりません。

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 脱穀した籾です。いつも食べているお米にだいぶ近づいてきましたhappy02しかし、まだこれでは食べられません。この後は、籾摺りを行い、玄米にしたものをさらに精米します。そこまで行ってようやくお米として食べられるようになります。道のりは長いですね~think

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 さて、全ての脱穀が終わり、袋詰めしたものを量ってみました。今年の沢山池の収穫量は、なんと110kgsign03happy01heart04昨年の収穫量が38kgでしたので、前年比にすると+289%sign03いかに今年が豊作だったかがわかります。スズメ対策を今年はきちんと行ったのもよかったのかもしれません。昨年はスズメに5kg以上は食べられてしまいましたからweep

 脱穀により稲と籾に分けましたが、稲の方はどうするのか?稲はとても便利な植物なので、藁(わら)などにして使用します。また、正月飾りとしても使えます。講習生も製作してみました。

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 初めて稲藁を作るのでみなさん四苦八苦ですcoldsweats01慣れると素早くできますが、初めてだとなかなかうまく捩(よじ)れないんですよねbearing

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 足で押さえて、何束かまとめた稲を2つに分けて、その2本を手のひらで捩り、さらにその2本を捩った方向とは逆方向に捩(ねじ)りながら縛り上げます。文章で書くとなんのこっちゃいsign02という印象だと思いますが、何と説明していいものやらsweat01来年の講習に参加して実践してみてくださいsmile慣れてきたので長く作れた講習生もいます。

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 1m以上になってます。稲自体は1mもありませんので、途中で継ぎ足しをしながら編んでいきます。継ぎ足しも最初はとても難しく、継ぎ足した部分からほつれてしまうこともよくありますsad

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 変わってこちらは正月飾りの作製です。正月飾りは1人でも作れますが、4人で作るとより楽なので、上の写真は4人で作っています。束ねた稲を均等に3つに分け、その3本を捩(ねじ)ります。捩ったものを編んでいくのですが、編み方の説明が何とも説明しがたいbearing三つ編みとは違うんですよ。こちらもやはり是非来年の講習会に参加して作ってみてください。

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 こちらが完成品です。どうです?ステキでしょうshineこんなものまで手づくりします。お米づくり以外にも学べることがたくさんありますhappy01

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 全6回にわたって行ってきた田んぼづくり講習会も本日が最終日です。最後は講習生から全回をとおして感想を話してもらい、今年の講習会は修了です。

 みなさんお疲れ様でしたconfidentそして、今年度の田んぼづくり講習会の里山日記は今日で最後です。お読みいただいたみなさん、また来年お会いしましょうlovelyheart04