平成28年度 里山林手入れ講習会(第3回)
2016年10月22日(土)9:00~ 第3回 間伐材を使ったカントリーヘッジづくり
10月に入り、気温も景色も秋の様相になってきました7月に開催した第2回から4か月ほどあいてしまいました。今日は里山林手入れ講習会第3回です真夏に作業を行うと熱中症などの恐れがあるので、夏は避けました
本日はカントリーヘッジづくりです。といっても、本日は新しいカントリーヘッジづくりではなく、去年以前につくったカントリーヘッジの補修がメインです。
まずは講師から本日の作業説明です。ところで、カントリーヘッジって何?と思った方へカントリーヘッジ=Country hedgeで、countryは様々な意味があり、主な意味は国や土地、田舎といった意味ですが、ここでは「自然由来の素材」といったニュアンスです。hedgeは生垣や垣根、柵といったニュアンスです。つまり、「自然素材でつくった柵」のことです。
では、カントリーヘッジのある場所まで行進開始です上の写真の右に見える草のようなものは、田んぼづくり講習会でお米づくりをしている田んぼです。稲刈りをした後にまた稲が伸びています。水の管理もしていないのに稲という植物は本当に強いものだなと感心します。ちなみに、穂がなっていますが、中身はスカスカです
沢山池に来たことある方なら見たことあるでしょうか?田んぼを越え、もう少し進んだところにこれがあります。ちょっと遠目から撮影したものがこちら
・・・もはや草に埋もれて何だかよくわからないものになってしまっています今日はこの周辺の草を刈り、間伐した材を使ってカントリーヘッジを直します。間伐する班と草刈りする班に分かれて作業開始です。
川沿いの散策路の木を間伐します。川沿いは、平地に比べて倒木などの可能性が高くなるため、傾いている木や大きくなりすぎた枝は伐採しなければなりません。大雨で川の増水が起こると、土壌を削ってしまい川に近い木の根元の土壌がなくなってしまい、倒木につながるからです 当然、それも自然の摂理とする考え方もありますが、この講習は人と自然が共生する「里山」の手入れなので、伐採して材にします。
伐採した木などを今あるカントリーヘッジの上に積んでいきます。このカントリーヘッジですが、沢山池の里山でつくるカントリーヘッジは、柵としての機能より堆肥や様々な生物の住み処としての機能を優先しています。積み上げたカントリーヘッジは、上の木の重さで下へ下へと押されます。年月が経つと下の材が腐り、数年かけて土に還ります。これが堆肥となります。また、堆肥になるまでの間は積み上げた木や枝、葉を住み処とする昆虫などが寄ってきます草や木を切らずにそのままにしておいても同じでは?と思った方。私も以前はそう思っていました。ところが、生物・植物界は人間社会以上に弱肉強食なのです自然のままにしておくということは、強い生物・植物だけが生き残ることになってしまいます。弱い生物などは絶滅してしまう可能性があります。そこで、食物連鎖のピラミッドから外れた人間が、自然に手を加えるのです。これがいわゆる「撹拌(かくはん)」と言うのですが、この撹拌をすることで、多種多様な生物や植物が絶滅せずに生き残れるという側面もあるのです。アマゾンの熱帯雨林を大量に伐採することはこれには当たりませんが、里山の木々を間伐することはそうした意味もあるのです。
変わってこちらは杭づくりです。切り出した木や太めの枝などを鉈(なた)や斧などで削り、杭をつくります。杭が出来たら次はその杭を打ち込みます。
・・・みなさんどういうわけか木槌を使うのが上手です。なぜですか・・・・・わかりました、普段からよく「叩いて」いるんですね?笑
何を叩いているかは聞かないことにします。人それぞれ事情がありますからね~笑
ところで、草刈り班が草刈りを終えると、何やら金属的なモノがでてきました。
何かの金属板のようなものが多数出てきました。おそらくですが、沢山池は今からかなり昔、このカントリーヘッジ周辺も田んぼや畑だったようなので、農具を入れておく小屋のようなものがあったのかもしれません。杭打ちもされておらず、いわゆる基礎工事もされていないので、簡易的な物置のようなものだったのかもしれません。掘り出せるものは掘り出しました
さて、草刈りも終わり、いよいよ完成しましたBEFORE/AFTERで写真を掲載します。
いかがですかすっきりしましたねこのカントリーヘッジが昆虫たちの新たな住み処となり、数年かけて土に還ることで、沢山池の土壌堆肥となります。
沢山池に来た際はぜひこのカントリーヘッジを見てください
最後に記念撮影をして本日の作業は終了です。みなさんお疲れ様でした