平成28年度 田んぼづくり講習会(第5回)
2016年9月17日(土)9:00~ 第5回 稲刈り
さあついにこの日がきました。そう、稲刈りです。現代農業では、コンバインを使い稲刈りから脱穀まで一気にやるのが主流のようですが、田んぼづくり講習会では、全て手作業で行います!あ、脱穀機は使用するので全て手作業というわけではなかった・・・
本日の作業場所は、沢山池ではなく秘密のアノ場所ですまずは稲の刈り方を習います。稲という植物は、籾以外の部分も肥料にしたり稲藁にしたりと無駄のない大変優秀な代物なのです。根本の方で刈らないと稲藁にするときに短くなってしまうので、その点は注意です
さてさて、田んぼに移動してきました。刈った後はこのように結んでください、と束ね方を教わっています。稲を束ねるために、今回は麻紐を使用していますが、去年刈った稲藁を使用することもあります。最近は100円ショップというトンデモナイ便利店があちこちに増えてきたので、藁を作らずに紐を買った方が安いし労力もかからないとなりがちですねしかし、、、最近の100円ショップは品揃えも充実していて、こんなものまで100円で買える時代になったのか!と思ってしまいます。100円でお米も買える時代に・・・さすがにそれはないですか
今年は豊作です9月は雨が多く、気象庁のHPデータを見ると、日照時間が112.4時間で2016年中、最も日照時間が短かったようです。それにもかかわらずこの豊作しかし、ひとつ問題がありまして上の右の写真ですが、見づらいとは思いますが、田んぼに水があるんですね。稲刈りは通常田んぼの水を抜いた状態で行います。そうしないと、田んぼに足をとられてしまってとても作業がしにくい!降水量も気象庁のデータでは2016年中、最も多かったので、山に大量の水が浸透したのでしょうか。とはいえ、水が抜けないから刈らずにおいておくというわけにはいきません。
みなさん勇猛果敢に攻めていきますここの田んぼですが、とにかく深い上の写真は畔(あぜ)側なのでそうでもないのですが、山側に進むにつれて段々深くなっていきます。最も深いところでは175cm前後の身長の人がひざ上まで埋まりますということは、深さにして60cmというところでしょうか。それでも一点に留まっていると、さらに下に埋まっていきます。もはや底なし沼状態155cm前後の身長では腰あたりまで埋まってしまうのではないでしょうか。
畔では刈った稲を結ぶ係もいます。協力しないと効率的にはできませんねこれは講習なので10人以上で作業していますが、農家の方曰く、これくらいの田んぼでは稲刈り3~4人で合計6~7人程度でやるのだとか。恐れ入りますとはいえ、昔は周りで作業している他の農家の方々と協力しつつ作業をしていたようです。こちらの田んぼ作業を手伝ってもらい、次にそちらの田んぼ作業を手伝う。大雨が降って地すべりが起こりそうな時は、周囲の農家の方が集まってみんなで地すべり対処をしたそうです。草刈りや枝打ちもみんなで協力してやっていたそうです。おおまさに『里山』ですね。
さて、田んぼの真ん中あたりの稲刈りに差し掛かりました。刈った稲を畔に運ぶのが中々困難になってきました。そんな時にはこれ田舟ならぬ、田ソリです刈った稲を紐を結んだソリに乗せ、畔側から引っ張ります。紐はソリの前後に結わいてあり、畔側で稲をおろしたら、刈ってる側が再び引っ張りソリを戻します。これですが、機械がない頃は「田舟」という木製の舟を使っていたんですね。深い田んぼで水抜きをせずに刈る場合は、刈った稲をその場に置いておくことができません。そこで、木製の田舟を用いて、刈った稲を乗せて一緒に移動していたんですね。水に浮かべているとはいえプラスチック製のソリに比べれば木製は重量もあったと思いますので、水を抜かずに稲刈りをするということは負担が増えるということですね
刈り取りが終わりました。次は刈った稲を“はざ”まで運びます。はざとは、稲を干すための物干し竿のようなものです。
1束の稲であればそれほどでもない重さも5、6・・・と束ねると結構な重さになります。
上の写真が「はざ掛け」の様子です。はざという稲干し用のものを作り、そこに稲を掛けていきます。ここでは高さ2mもないですが、農家によっては10段以上重ねるので、はざ自体の高さが5m以上になることもあります一度高いはざ掛けを拝見しましたが、はざ掛けというよりは壁といった感じです一番高いところにどのようにかけたのか知りたくなります。ホームセンターに売っている脚立やハシゴでは届かないのでは・・・と思えるほどの高さです。
このはざ掛けですが、水分を飛ばして乾燥させ、茎にある旨味成分などを籾にいかせるように行います。なので、籾を下にして干すんですね。
はざ掛けの前で集合写真みなさんいい笑顔してます
本日の作業は以上で終了です次回はいよいよ最終回、『脱穀」です。