平成28年度 里山林手入れ講習会(第1回)
2015年6月11日(土)9:00~ 第1回 下草狩り
「里」と聞いて何を想像しますか?茅葺屋根の家の前に田んぼが広がり、家の裏には山があり、近くには川が流れている、思い浮かべて郷愁が湧いてくるような、どこか懐かしいような場所を想像しますか?それとも、それとは違った田舎の風景でしょうか。いずれにせよ、「里」ときいて近代的な建物が並びネオン輝く街を想像する人はほとんどいないと思います「里」は広辞苑では人、家のある所。ひとざと。そして、(都に対して)田舎。在所。さらには、育ち。素性。と定義されています。つまり、最初に挙げたような場所がいわゆる「里」というものです。「里山」という言葉はいつから使われ始めたのか明確にはわかりませんが、「里」という言葉から派生したであろうことは想像に難くありません。「里山」とは、人が手入れなどを行い、人と自然が共生する場所のことを指します。狭義と広義で意味合いが違うという説もありますが、詳しく知りたくなった方は論文や本を読んでみてください
さて、この「里山林手入れ講習会」は、読んで字のごとく、里山の手入れを行う講習会です前述の、人が手入れなどを行い、という場所が現代では段々となくなってきています。人の手が入らない山や林はどうなるでしょうか。倒木などがそのまま放置されたりと荒れてしまうんですね。そして、不思議なことに、そうした本当の自然状態を目にした時に、人は、ああなんて素晴らしい大自然、とは感じず、むしろ荒れていて何か不気味だなと感じるのです。里山の手入れを行うことは、自然が荒れないよう、しかし、自然環境の破壊にならないようとても意義のあることなのです
今年の里山林手入れ講習会は20代から70代までの13名と幅広い年齢層の方が参加してくれました
まずはあいさつ。そして、沢山池の説明や里山的環境の再生活動とは何かといった話から始まります。全6回の講習会なので参加を躊躇したという方もいましたが、無理せずに、何か予定があれば講習をお休みしても構いませんので、ぜひたくさんの方に参加してもらいたいと思っています番宣でした。笑
それでは、講習第1回目恒例の沢山池の散策から。
左の写真は去年以前につくったカントリーヘッジです。カントリーヘッジについては、平成27年度里山林手入れ講習会第4回の記事を読んでみてください
右の写真は今年度の田んぼづくり講習会第1回の記事にも載せた場所と同じところです。このような道の整備なども里山林手入れ講習会では題材となります。今年の講習会はものづくりを多く取り入れる方針なので、このような道の整備などは来年度以降になるかもしれません
散策も終わり、いよいよ本日の作業開始です。今日は大鎌を使い、下草刈りです。大鎌は長さ約1.5mほどで、使い方を間違えると大惨事になる代物ですみなさん、周りによく注意してケガのないように作業しましょう
下草狩りは毎年毎年行います田んぼづくり講習会でも、この里山林手入れ講習会でもめげずに行っています。下草刈りをやらないと、目的としている稲の生育や、木の生育に影響を及ぼしてしまいます。里山とは、人が手を入れることで維持する環境です。草を刈り、木を切り、田んぼで稲を育てと、そうした環境が人にとっても自然にとっても負荷をかけない状態であると考えられています。もちろん、そうではなくありのままの自然状態こそが真の自然であり、里山は人工的な自然という説もあります。木々も強いものが生き残り、弱いものが淘汰されていくことこそ自然状態であるという主張もあります。確かに一理あります。ですが、この里山的環境の再生事業は、多種多様な動植物の生息を目指すものであって、極層林をつくることが目的ではありませんちなみに、生きものたちにとっても人間と同様、手入れをされた環境の方が住みやすいようです。
おっと、話がそれてしまいました。では、参加者の様子を見てみましょう
大鎌を使うことなんて普段ありませんので、みなさん四苦八苦です。今日は気温も高いので余計に体力が奪われます
みなさんの努力の甲斐もあり、予定していた下草刈りはどうにか終了しましたといっても下草刈りを写真でお伝えするのはかなり困難これでもかなり刈りこんでいるんですよ
最後に、使った道具の処理をしておしまいです。サビ止めなどを施さないと道具の寿命も縮んでしまいますからねみなさんお疲れ様でした
最後に、晴れた日の沢山池の様子を載せておきます