平成27年度 里山林手入れ講習会(第6回)
平成27年度1月16日(土)9:00~ 第6回 沢山池奥の散策・まとめ
里山林手入れ講習会も今回が最後です天候により延期があったりしましたが、無事に全6回の講習会を行う事ができました。
最後の講習会は沢山池の後ろに広がる山、そう、大楠山の散策です大楠山は標高約241mで、三浦半島では最高峰の山です。実は関東100名山の第100番目の山でもあり、山頂からの眺望は、かながわの景勝50選の1つにも数えられています。堅苦しい説明ですが、つまり、登山初心者でも容易に登れる山で、登山口から山頂までおよそ90分ほどで、山頂からの眺めがよろしい山、ということです太陽が沈んでいなければまず遭難することはないと思われます。
今日の流れの説明中 | 散策路を地図で確認! |
沢山池から山頂まではおよそ75分といったところです。では、いざ出発
どんどん行きますよ
途中、地図を見て現在地を確認します。持ってきた地図は詳細地図ではないので、手掛かりは道のカーブ具合と等高線から見る標高具合で判断します。どうやら道は間違えていないようです
約60分ほど歩きました。やや疲れが見える人も出てきました。最初にも申し上げましたが、無理は禁物です。ここからは、引き返して沢山池に戻るチームと山頂アタックチームに分かれます。
この記事を書いている人は…山頂アタックチームに入ったようです。笑
ルートにもよりますが、山頂までは主に階段を登ります。木の階段、前回の講習会で作りましたねこれも同じように作ったのかと思うと苦労がわかります。そして、作った方を尊敬しちゃいます。なぜなら、この階段、山頂までおよそ300段以上あります登るのも大変でしたが、これをよくぞ作ったと思ってしまいます。
さあ、階段を登りきると山頂の広場です。
山頂には多くの登山客がいました大人の事情で写真には写せませんが、おおよそ25名ほどです。この時点で時刻はまもなく正午を回ろうかというところ。山頂で昼食を取っている方々がほとんどでした。写真右にらせん階段が見えますが、これが展望台です。さて、かながわ景勝50選の1つに数えられている「大楠山の展望」をみなさんにご紹介しましょう。
富士山が見える方角なのですが…残念今日は霧がかっていて富士山までは見えませんでした。よく晴れていて、風がある日だと雲が流れるので富士山が見えます。眺望ですが、この大楠山以外に周囲に高い山がありませんので見晴らしは最高です。なるほど、かながわ景勝50選もうなずけます。これは実際見に行った方がより感じてもらえるかと思います。時間と体力がある方は休みの日にぜひ行ってみてください
山頂アタックチーム記念撮影さて、そろそろお腹も空いてきましたので下山してお昼にしましょう。というわけで、散策はここまでです午後は余興を行う予定です。
さあ、午後は何をすると思いますか?木が足元に転がっています。真ん中の講習生が何か作業をしていますね、近づいてみましょう。
木に電動ドリルで穴を空けています。何を作っているんでしょう
…おや?これは……??
どんぐりのような何かですね。ところどころ白いものが付いていますね。どんぐりではなく木のようです。
先ほど穴を空けていた木にどんぐりのようなものを詰めます。左は穴が空いた状態、右は詰めた状態です。
さて、これの正体は何でしょう正解は、きのこの原木栽培でした先ほどのどんぐりのようなものは、木を固めたもので、きのこの菌糸が中に組み込まれているものです。写真はしいたけの種駒でした。原木栽培に使う木を「ほだ木」という言い方をします。沢山池の環境でしいたけ、ひらたけ、くりたけを栽培してみようという試みです。これを風通しのいい直射日光が当たらない場所に移します。
場所は内緒です。笑
しいたけを取られたら困りますので笑
一度菌が入り込めば毎年取れるそうですが、最初のきのこが出るまでは約1年ほどかかるそうです。来年度の収穫祭に間に合えば焼きしいたけが食べられるかも里山は材木だけでなく食べ物も人々に提供してくれる環境です。こうした環境をうまく利用し、人と自然にとってよい状態に保つことが里山の環境を維持することにつながります。
約1年にわたって行ってきた平成27年度里山林手入れ講習会もいよいよ修了です。いや、始まり、といった方がいいかもしれません。講師の方の最後の言葉を要約しておきます。
「講習会は技術を学ぶ場なので、いきなり戦力になろうと思わなくてもいいんです。戦力となるのはこれからです。毎年同じ作業をしないと森林は保てないので、継続して作業をすることがなにり大事です。今年も安全第一で大きなケガもなく楽しくやれたことを感謝します。」
里山的環境を維持するには、絶え間ない同じ作業の繰り返しが必要です。自然とはこうして維持されています。普段街並みの向こうに見える気にも留めないみどりは、こうした様々な努力によって維持されています。来年度、興味があれば参加してみてください
今回の講習会に参加されたみなさん、一年間お疲れ様でした