平成27年度 里山林手入れ講習会(第4回)
平成27年度11月7日(土)9:00~ 第4回 カントリーヘッジ造り
天高く馬肥ゆる秋、そんな言葉が合う気候になってきました肌寒い日もありますが、里山林の手入れを行うにはとてもよい気候です。ところで、天高く馬肥ゆる秋、は今でこそ秋の快適な気候をさす言葉となっていますが、元々は、昔の中国で、北方騎馬民族が秋になると収穫物を目指して攻めてくるので、その侵攻を警戒する言葉として使われていたようですね。
さて、今日は、里山林の手入れで出た端材などを使ってカントリーヘッジを造ります。カントリーヘッジって何?と思った方、今回は言葉で説明するよりも写真で見た方がわかりやすいので、この里山日記を読み進めてみてください
まずは今日の作業の説明から |
今日は鋸(のこぎり)、鉈(なた)、鎌(かま)、枝切り鋏(はさみ)など、ケガに直結しやすい道具を使います。みなさん、十分気を付けてください
今日の作業場所はこちらです。講師の方が、ああいう木を伐ってそれを材料にします、と説明しているところです。
さて、先に冒頭に述べたカントリーヘッジの写真を載せておきましょう。これから造るカントリーヘッジとはこういうものです。
山道などの脇で見かける柵垣のことですこれは道を示す目安にもなりますが、道標以上の役割があります。まず、手入れで出た端材を使うので、手入れ現場で不要となる端材が出ません。100%有効活用します。カントリーヘッジは見た目のよさがまずあります。また、地上や地中の小動物、昆虫などの新たな住み処となります。さらに、自然由来の材料なので、微生物などにより徐々に分解されていき、地面は豊かな土壌を形成します。小枝などは2~3年で朽ちますが、樹幹などはさらに年月をかけて朽ちていきます。自然から取り、自然に還る、究極のリサイクルですね近年では、こうした活動を「生物多様性の確保」と表現したりもします。
去年造ったカントリーヘッジが下草に埋もれているので草刈り中です。
BEFORE | AFTER |
出てきました、去年のカントリーヘッジ。これを今日は造ります。去年のものは道の一部にしかありません。毎年継ぎ足し継ぎ足ししていきます。今年も去年のカントリーヘッジの続きに造っていきます。
まずは材料となる木を取ります。手入れをして伐りだす場合もあれば、過去の手入れ講習会で出た端材を使ったりもします。また、枯れ枝などはあちこちに落ちているのでそれらを拾い集めます。
取ってきた材を加工します。カントリーヘッジの杭となる部分を鉈を使って削り、造ります。先端を槍のような形にし、地面に刺さりやすいように仕上げます。仕上げたら木槌で力一杯打ち込みます。
カーンカーンと木を打つ音が響きます。音によって芯で捉えて打てたかちょっとずれたかがわかりますので、心地よいカーンという音が響くと、周りから「おー!」「よっしゃ!」「入った入った!」と色んな声が飛び交います。
杭を打ち込み、今年のカントリーヘッジの方向が決まりました。手前にちょこっと見えるのが去年までに造ったカントリーヘッジです。
杭を打ち込んだ範囲内に先ほど拾い集めた小枝などを入れていきます。下の方には小さな枝、上に積むにつれて大きな枝を乗せていきます。
完成です
今日造ったカントリーヘッジが数年後に朽ち、豊かな土壌を造りだすことで、また新たな木が根付く土を醸成します。こうした半永久的な栄枯盛衰を自然は繰り返します。もちろん、完全自然状態にしておくと荒廃が進みますから、人の手を入れるということが重要です。人と自然との共生は、こうした日常を長く続けていくことも大切な要素です。
完成したカントリーヘッジの前で集合写真
植樹の経過
植樹の経過状況ですが、前回、前々回に植えた木に早くも差が出ています。写真ですが、背景と混じってわかりづらいので、赤丸で囲ってあります。
雨が降る、根の周りの土に隙間が少ない等々、様々な条件により根付いたり根付かなかったりするようです。植樹というものは、植えれば木は成長するものだ、と考えていましたが、どうやらそう単純な話ではないようです
今日もまた植樹をして作業終了です。みなさまお疲れ様でした
植樹がうまくいき根付いたようです | あれ…?左と同条件なのに枯れています |
雨が降る、根の周りの土に隙間が少ない等々、様々な条件により根付いたり根付かなかったりするようです。植樹というものは、植えれば木は成長するものだ、と考えていましたが、どうやらそう単純な話ではないようです
今日もまた植樹をして作業終了です。みなさまお疲れ様でした