平成27年度 田んぼづくり講習会(第4回)


2015年8月1日(土)9:00~ 第4回 下草刈り 

 前回に引き続き、今回も雑草を取り除きます。夏は植物も動物も活発に活動する季節です。草は刈っても刈ってもすぐ伸びてしまいますclover
 雑草は驚異的なスピードで伸びるので小まめな手入れはとても大切です。
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みなさん、鎌の使い方覚えてますか?と復習中。
 

  この日は朝から気温が高く、立ってるだけでも体力が奪われますsad
通常、農家の方は夏の9:00前には作業を終え、暑い時間帯には作業をしません。農家の朝は早い、とよく言われますが、35℃の炎天下で作業をしていたら倒れてしまいますね。かといって講習会では集合時間を朝5:00にするわけにもいきませんbearing講習会では小まめに休憩を取り、水分補給をして作業にあたります。
 

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鎌の扱いはもう慣れたものですね。
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哀愁漂う漢の背中…素敵ですconfident
   
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 鎌は、というより様々な道具は、以前は右利き用が主流で作られており、左利き用はあまり流通していませんでした。現在は鎌も両刃作りで左右どちらの利き手でも使用可能となっています。上の写真は同じ鎌なのですが、右利きでも左利きでも使用できるものですwink

 
 さて、田んぼの様子に目を向けてみましょう。H27田んぼ④-7.jpg

 水がなく田んぼがひび割れていますsign01これはまずい、枯れてしまうsign03と思ってしまいますが、稲はとても強い植物なのでこの程度では枯れたりしません。このひび割れは、雨が降らなかったので自然に水が抜けてしまいこのようになってしまいました。農家によっては『中干し』といってあえて水を抜き、田んぼの泥を乾かしたりする作業をするそうです。こうすることにより根が強くなり、より強力な稲として育つそうです。今回は偶然にも『中干し』状態になってますが、計算した上で出来るようになるとまた一歩田んぼに携わる者として腕を上げたような気持ちになれますねcatface
 沢山池の田んぼは斜面にあり、散策路の奥側から手前側にかけて緩やかな傾斜になっているので、奥側の水がどうしても抜けやすくなる構造なのです。また、前回で学びましたが、水がないと雑草がすぐに生えてしまいます。なので、今回は緊急の給水路を作り、田んぼに水をいれることにしました。
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 水を入れるパイプの入り口付近に枯れた枝などを刺し込み、入口が詰まらないようにします。手際がいいですねーshine
 水を入れたあと、みんなで田んぼの中を歩いて攪拌(かくはん)します。
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 ひび割れた田んぼに水が入り込み、さらに踏み込むことで田んぼの内部にまで水がいきわたります。
 これで本日の作業は終了ですsign01使った道具は当然手入れをしてしまいます。さぁ、次回はいよいよ稲刈りですhappy01
 今日の田んぼは稲穂がつき始めて稲の花が咲いているものもありました。稲の花って見たことあります?これですdownwardright
H27田んぼ④-13.jpg 稲穂の先からちょろっと出ている白いのが稲の花ですtulip知らないととてもじゃないですが『花』には見えませんねcoldsweats01





 さて、今回の生きものは『サカマキガイ』です。
H27田んぼ④-14.jpg セミの抜け殻に目がいってしまいがちですが、そこではなく、稲の先にくっついているもの、田んぼの中にある小石のようなものがそれです。
 どう考えても長距離移動出来る生きものではないので、田んぼが出来てからやって来たとは思えません。まさか、前回のアメンボのように実は羽根が生えていて飛べるとか…?

私  「この小石みたいなのは何ですか?」
講師 「これはサカマキガイですね。田んぼに限らずよくいますよ。わりと汚い水質環境でも生きていける生物ですね。」
私  「田んぼが出来てから移動してきたり飛んできたんですか?」
講師 「いいえ、田んぼの泥の中にいます。稲刈り後に水がなくても土の中は多少水分があります。少し掘ると黒っぽい土がでてきますよね?あの程度の湿り具合でも大丈夫な生きものなんです。仮死状態でいて、水が入ると復活して活動を開始します。」
私  「こりゃまたたくましい生態ですね。」
講師 「これはヘイケボタルの幼虫の餌になります。これがいるということはヘイケボタルが繁殖出来るということです。ただ、安定した水辺環境が今のところないので、ヘイケボタル自体が生息できません。」
私  「この活動を続けていけば沢山池でもホタルが見れる日がくるかもしれませんね。」